ロシア黄金の環、セルギエフ・ポサードを歩く(1)2012/02/15 17:01

今日(10月2日)はモスクワから北北東70キロにある「黄金の環」の都市セルギエフ・ポサード(Сергиев Посадスィエールギイフ・パサード)を日帰りで訪ねる。セルギエフ・ポサード行きの路線バスは、好都合なことに宿泊ホテルがあるВДНХヴェーデンハー前から出る。ВДНХ前広場は広大なバス発着場になっていて、人に聞かないと目的のバス乗り場は簡単には見つからない。バス停そばのチケット売り場で乗車券を買う。145ルーブル(およそ350円)だった。

 セルギエフ・ポサード駅前がバスの終点なので、乗り過ごす心配はない。駅前のビルにカラオケ・クラブの看板が出ていた。ロシアのカラオケ・クラブって、どんな様子なんだろう。
セルギエフ・ポサード駅前のカラオケクラブ

 セルギエフ・ポサード駅前から世界遺産トロイツェ・セルギエフ大修道院を目指し、見当をつけて歩いて行ったが、少し方角を間違えて30分ほど掛かって大修道院の入口に着いた。最短コースを歩いても20分ほどは掛かる距離だ。駅前は建物や街路が込み入っていて大修道院への道は判り難いので地図ぐらいは用意すべきだった。
 トロイツェ・セルギエフ大修道院は高い塀に囲まれて要塞都市のようなたたずまいだ。城壁に設けられたトンネル状の入口を入る。天井からは天使たちの絵が見下ろしている。
トロイツェ・セルギエフ大修道院入口の天井画

 トロイツェ・セルギエフ大修道院の敷地内には多くの聖堂、教会、鐘楼、礼拝堂などが立ち並ぶ。一番大きく壮麗なУспенский соборウスペンスキー大聖堂へ向かう。内部は薄暗く天井のわずかな照明とろうそくの灯が頼り。生神女マリア(西方教会の聖母子像)のイコンに祈りを捧げる母子らしい人がいた。イコンに接吻をしているようにも見えた。
ウスペンスキー大聖堂内の聖母子像に祈る人

 ウスペンスキー大聖堂の巨大なイコノスタス(Иконостасイカナスタース)。聖障と日本語に訳されるが一般信者が祈る内陣と儀式で聖職者が入る至聖所の境界を成すイコンで飾られた壁である。左右の柱で遮られ一部しか見えない。イコノスタスの中央に扉が見えるが、これが王門である。壁や柱にはあまねくフレスコ画が描かれている。
ウスペンスキー大聖堂のイコノスタス

 Колокольня鐘楼である。高さ88m、トロイツェ・セルギエフ大修道院で一番ノッポの建物。
鐘楼の前に天蓋のある場所の下から泉が湧いている。
トロイツェ・セルギエフ大修道院の鐘楼と泉

 ウスペンスキー大聖堂の隣に建つこの建物はНадкладезная часовня泉の上の小礼拝堂と呼ばれる。ウスペンスキー大聖堂の出入り口階段を修理中に泉が湧きだし、その奇蹟を留めるために建てられたとか。
泉の上の小礼拝堂

 聖なる湧き水を持ち帰るためにボトルで受ける信者の人たち。コカコーラの空きボトルを使っている人が二人も居て、ロシアの変貌を感じさせる。ロシアの清涼飲料水は米資本のペプシとコカコーラが圧倒的シェアを占めている。
湧水をボトルに詰める人たち

 左からУспенский соборウスペンスキー大聖堂、Надкладезная часовня泉の上の小礼拝堂、Сень над Крестом十字架の上の天蓋、Духовская церковь精霊降誕教会
 精霊降誕教会はХрам во имя Сошествия Святого Духа на Апостолов12使徒への精霊降誕名称聖堂という表現や、Церковь в честь Сошествия Св. Духа на апостолов12使徒への精霊降誕祝福教会という表現も見られる。
ウスペンスキー大聖堂、泉の礼拝堂、湧水所、精霊降誕教会