絵画鑑賞用の架台を自作しました2013/12/18 23:47

 所有する絵画を家庭ではどうしていますか。壁面に飾るのが通常でしょうが、それでは壁の前にじっと立っていなければなりません。美術館では立って見るのもしかたがないですが、自宅ではソファーや安楽椅子に座ったまま見ていたいですよね。そこで座ったまま眺められる架台を考えました。

 画材店で扱うイーゼルに絵を置くことも検討しましたが、観賞用架台としては不向きと判断しました。イーゼルは横木にキャンバスを置いて画家が立ったまま描くのに便利なように作られています。キャンバスが垂直ではなく少し上を向きます。横木がキャンバスを載せる目的ですから巾が浅いです。分厚い額は載せられません。

 色々頭の中で構想を練って思いついた絵画鑑賞用架台は垂直の柱が1本立っていて、そこに上下移動可能のフックが付いているだけというシンプルな形状です。その柱をいかに支えるか。四角い木枠を作って片方の長辺中央に柱を固定するという姿を思いつきました。柱が一本あるだけで空間スペースを占領しません。

 手持ちの廃材を使ったので費用はほとんど掛かっていません。屋外放置の木材なので埃で真っ黒で、合板は表面が剥がれていたり、反りが出ていたりとひどい状態です。工作を始める前に木の表面をサンダーで磨いたり、はがれかかった合板表面を接着したりと手間が掛かりました。
絵画鑑賞用の架台を手作り。まず支柱を支える長方形の枠を作る
 頭の中では60センチ×30センチと考えていた台座のサイズは長い材料があったので80センチ×40センチになりました。
絵画鑑賞用の架台を手作り。四角い枠の長辺に支柱を立てる。取り外しできるようにボルト3本で固定。
 台座に130センチの柱を垂直に取り付けました。6mmボルト3本で固定しています。片付ける際に台座と柱が分離できないと大変邪魔になります。巾6センチ厚さ26mmの柱には10せんち刻みで5mmの穴を貫通させています。この穴にL型の大折れボルトを入れて絵の吊り紐を支えるフックにします。蝶ナットを使って手で簡単に取り外せ、別の穴に移動できるようにしています。
絵画鑑賞用の架台を手作り。F6号の日本画を掛けてみる。
 書斎に置いて絵を掛けて見ました。フック用の大折れボルトは手前よりも裏側に取り付けた方が絵が柱に張り付いて垂直になります。6号の日本画です。重さが4.5キロあります。昔の額はガラス入りで重たいです。柱が少し前方に傾きます。倒れたり壊れたりする心配は無いですが台座部分の合板が弱すぎました。もっと厚いか巾がある硬い木材が必要です。改良が必要です。でもソファーに座って目の前にある堂本印象画伯の「空にかがやく桜」を眺めているのは大変心地良い気分です。
絵画鑑賞用の架台を手作り。F12号の油彩画を掛ける。ハンガーボルトを裏側に取り付けると絵が垂直になった。
 今度はもっと大きい12号の油彩画を掛けてみました。ハンガーボルトを止めている蝶ナットが絵の背面に当たるのを避けるため吊り紐を長くしました。この状態が一番具合が良いです。完全に額が柱に張り付いて絵が垂直になりました。新しい額はアクリル板が使われていて軽いですがそれでも5キロです。この絵は野崎利喜男画伯の「楡の木(北大植物園にて)」です。フォービズムを体現したこの絵からは楡の木が遅い春を迎えた今、躍りだしそうな躍動感が伝わってきます。思い出の場所ですし大好きな絵です。

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