泉屋博古館を再訪して、木島櫻谷の「寒月」を見てきました ― 2013/12/11 21:18
先週、「木島櫻谷-京都日本画の俊英-」展開催中の泉屋博古館(京都市左京区)を訪ねたのですが、展示替えで見れなかった「寒月」を見るため同美術館を再訪しました。
来年1月から東京の泉屋博古館分館で開かれる「木島櫻谷」展のパンフレットです。表面にはやはり「寒月」を載せています。月齢19か20ぐらいの月が描かれています。更待月(ふけまちづき)です。午後10時を過ぎています。竹の疎林や名残りの野菊がちらほら見える雪原は深々と冷え込んで身が凍りそうな寒さです。霧も少し漂う中を狐が辺りをうかがうように用心深く歩を進めます。孤独なキツネの姿が更に凍てつく冷え込みを感じさせます。
墨で描いた竹幹や潅木の葉の上には暗青色を彩色している。茎や葉は枯れたのに花が残る野菊の描き方の繊細さ。横372センチ六曲一双屏風の端から端まで一部の隙も無く神経を張り巡らせて描かれている。絵にみなぎる張り詰めた緊張感が見るものに迫ってきます。
この雪の竹林風景は貴船奥の院でスケッチされたのではないかと図録に解説されています。狐は京都動物園でスケッチしたようです。雪原で動物の足跡を沢山見てきた私にはこの狐の足跡は少し違和感を感じます。野生のキツネの足跡は一本の線状になります。この絵の足跡は同じイヌ科ですが、イヌ属の足跡です。
同じ「木島櫻谷」展パンフレットの裏面です。六曲一双屏風「寒月」の全体が載っています。一番上に掲載の「柳桜図」は住友家が大阪・茶臼山本邸で来客を迎える際に飾る屏風を春夏秋冬に合わせ4双依頼した内の春の屏風です。壮大な住友本邸は大阪市に寄贈され、今は天王寺公園として使われている。
追伸:木島を小島と書いていた誤りをそっと教えて下さった心優しいあなたにお礼申し上げます。
墨で描いた竹幹や潅木の葉の上には暗青色を彩色している。茎や葉は枯れたのに花が残る野菊の描き方の繊細さ。横372センチ六曲一双屏風の端から端まで一部の隙も無く神経を張り巡らせて描かれている。絵にみなぎる張り詰めた緊張感が見るものに迫ってきます。
この雪の竹林風景は貴船奥の院でスケッチされたのではないかと図録に解説されています。狐は京都動物園でスケッチしたようです。雪原で動物の足跡を沢山見てきた私にはこの狐の足跡は少し違和感を感じます。野生のキツネの足跡は一本の線状になります。この絵の足跡は同じイヌ科ですが、イヌ属の足跡です。
同じ「木島櫻谷」展パンフレットの裏面です。六曲一双屏風「寒月」の全体が載っています。一番上に掲載の「柳桜図」は住友家が大阪・茶臼山本邸で来客を迎える際に飾る屏風を春夏秋冬に合わせ4双依頼した内の春の屏風です。壮大な住友本邸は大阪市に寄贈され、今は天王寺公園として使われている。
追伸:木島を小島と書いていた誤りをそっと教えて下さった心優しいあなたにお礼申し上げます。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://phototech.asablo.jp/blog/2013/12/11/7106291/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。