「辰巳 寛 日本画展」に行ってきました2013/05/09 10:15

 天王寺中学校で同級生だった辰巳寛(たつみかん)さんは、「舞妓さん」を描く日本画家として、日展や日春展で活躍してきました。今回の展覧会は近鉄百貨店奈良店五階美術画廊で開かれました。日展出品の140号の大作3点を含む20余点の展示です。最終日の8日に会場を訪れ、居合わせた辰巳君に入ってもらって会場の写真を撮りました。
「辰巳 寛 日本画展」と辰巳寛さん
 写真左端は「清夏舞妓」で舞妓さんの顔がしっかりと正面を見据えている作品。鑑賞位置も正面から絵と正対する以外にない。写真右端「清秋」は紅葉の屏風を背後にして横向きに座した舞妓さんがこちらへ顔を向けている。この舞妓さんの視線は不思議な効果を与えている。右側に立って鑑賞すると右側に視線を送ってくる。左側に立つと左側へ視線を送ってくる。どの角度から見ても絵と対話できるマジックを秘めている。

 写真には写ってないが、もう一点の日展出品作が「星夜」で、物干し台とおぼしき場所に立って夜空を眺める舞妓さんの後姿を描いた作品。夜の屋外であり、うしろ姿の舞妓さんと何れも辰巳作品に、前例が無い斬新な画面構成になっている。この「星夜」はクリアファイルのデザインに採用されていて日展アートショッピングで購入できる。

 10日から日春展が大丸心斎橋店本館7階で開かれるが辰巳君は運営委員なので9日は準備で会場へ出かけるそうだ。

陽が傾く時刻、平城京跡をカメラ片手に散歩しました2013/05/09 17:49

 「辰巳 寛 日本画展」を見た後、すぐ近くの平城京跡をカメラ片手に散歩しました。時刻は5時すぎ、太陽が西に傾いています。平城京跡にはシロツメグサやタンポポが多いのですが、タンポポは全て綿帽子状態です。この綿帽子は種子の集合体で種子1個ごとに冠毛をもち風が吹けば飛んで行きます。折からの夕陽を浴びて白髪頭を光らしていました。
平城京跡でタンポポの綿毛が夕陽に光っていました

 西南を見れば太陽がまぶしいのですが、北の空は真っ青です。雲一つ無い青空です。復元された大極殿と青空だけをカメラのフレームで切り取れば、古(いにしえ)の都の幻影に誘い込まれていきます。
平城京跡に復元された大極殿の上には青空が広がっていました

 今回、二度目の散策です。一度目は奈良博が開かれる前でしたから何も無い野原が広がっているだけでした。これが平城京跡かと驚いたものです。

「軍港ヨコスカ」をうろうろ歩き(1)2013/05/10 18:28

 久里浜港(神奈川県横須賀市)から早朝乗船することになり、しかたなく一番近い都市である横須賀市の京急・汐入駅前のホテルで一泊しました。

 敗戦後、横須賀には米軍が駐留するようになり、米国海軍の一大拠点になっていることは知っていましたが、足を踏み入れるのは初めてです。

 宿泊ホテルからは徒歩数分以内に「YOKOSUKA軍港めぐり」の遊覧船乗り場があり、過去には米軍兵士相手の酒場が並んでいたらしい有名な「どぶ板通り」も目の前にあります。

 再び横須賀に来ることはないだろうと思うと、できるだけ見てやろうとその付近をうろつくことにしました。

 予約していたホテルのフロントは皆さん笑顔が素敵でした。ここで「軍港めぐり」の遊覧船乗り場の場所を尋ねると乗船券をフロントでも販売していました。券を買って真っ直ぐ乗り場に行き乗船予約を入れました。「軍港めぐり」は人気で早めに行かないと乗れないこともあるとホテルで聞いていたからです。1時過ぎに2時の便を予約して、近くで昼食を摂れる場所を探しました。

 乗船場所の近くにアメリカンテイスト溢れるレストランがありました。「Station Grill」です。ロースト・プライム・リブ150gを注文しました。米国産の肉を使っていると思い込んでいたのですが、いまホームページを見るとプライムリブは国産高級牛肉のリブロースを使用し数に限りがあるので予約してくださいと書かれています。4週間低温熟成させた肉を低温で4時間あぶり焼きするとのこと。同店の看板メニューです。
ヨコスカ 絶品のプライムリブロース
 いま思い出しても生唾が湧いてくるほど絶品の味でした。しかし頻繁に食べると肥満体に成ること間違いなさそうです。

 2時から小一時間の港内めぐりではガイドさんから軍艦についての詳しい説明が続きました。軍事オタクではないので大半の話は忘れてしまいました。
 自衛艦の大砲の説明で「ここから富士山の五合目へ打ち込むことができます。鉄の玉が適当な所に着弾すると思っているでしょう?砲弾には誘導装置が組み込まれているので正確にピンポイントで当たります」との話には驚きました。横須賀から国会議事堂に砲弾を正確に撃ち込むこともできそうです。クーデターが起こる?「砲弾一発が1億5千万円もするので実弾訓練はできないそうです」
 原子力空母が停泊していました。「6000人が乗船しているので、入港すると横須賀の人口が6000人増えます」

軍港ヨコスカ 米国海軍イージス艦と自衛隊の潜水艦が停泊 軍港ヨコスカ 米国海軍のイージス艦3隻が並んで停泊 軍港ヨコスカ また別の自衛隊の潜水艦2隻 軍港ヨコスカ 米国海軍の原子力空母が停泊していた
 港内に多数の日米のイージス艦や潜水艦や様々の軍艦が停泊していました。その数の多さには驚かされました。これだけ多くの軍艦の乗員が横須賀で暮らしているのでしょうから、ヨコスカは今も昔も海軍の街なんでしょう。

「軍港ヨコスカ」をうろうろ歩き(2)2013/05/11 14:33

 横須賀と言えば巨大な規模のアメリカ海軍基地。ヨコスカとカタカナ表記の方が似つかわしい。
 戦前の帝国海軍基地が敗戦で米国海軍基地にそっくり入れ替わった。

 戦前、商店街を流れるどぶ川の上に海軍工廠から譲り受けた鉄板を敷き詰めて“臭い物に蓋”をしたのでドブ板通りと呼ばれるようになったそうだが、戦後はすっかり米軍相手の店に置き換わった。もう「ドブ板」の痕跡は無く石畳の町並みになっている。

 「ドブ板通り」を“うろうろ”歩きしながらスナップショットしてみました。

ドブ板通り ミリタリーファッションの店Fuji

ドブ板通りも旧海軍の街から戦後は米海軍の街に取って代わった

ドブ板通りの不動産屋は米軍関係者が客筋 ドブ板通りのショットバー ベランダにめぐらした豆電球が夜は怪しく点滅するのか

ドブ板通りのスナック、昼間はシャッターを下ろしている

ドブ板通りのバー、やはり昼間はシャッターを下ろしている

ドブ板通りには米軍関係者だけを客筋にした店が多い

ドブ板通りのiPhoneやiPadの修理屋も米軍関係者のみを客筋にする

ドブ板通りの不動産屋はどこも客筋は米軍関係者

ドブ板通りのカジュアルファッションの店は米国旗を天幕に描いて米軍関係者にアピール

ドブ板通りのスナック ポップな壁面デザインが目を引く「SNACK YOKOSUKA」は営業していないようだ

ドブ板通りには場違いな延命地蔵尊。隣はライブハウス

ドブ板通りの山側は崖になっている。山の上には女子中学校が建っている。 ドブ板通りの山側には崖があり、山の上は住宅街

ドブ板通りの写真館 日本人妻と和服姿で「思い出を形にのこしてみませんか?」 ドブ板通りのバー 赤と藍色の強烈な色使いの店

「軍港ヨコスカ」をうろうろ歩き(3)2013/05/11 20:26

 ヨコスカの「ドブ板通り」商店街では、米軍関係者でけでなく日本人観光客も呼び込みたいと努力しているようです。通りの路面にヨコスカと関係の深い有名人の手形レリーフを埋め込むこともその一つの表れです。

 予め手形レリーフの事を知っていた訳ではないのですが、“うろうろ”歩きを続けていて、足元にレリーフが埋め込まれているのに気が付きました。

 気が付いてシャッターを切ったのは手形レリーフ全体のごく一部です。
ドブ板通りの銘版には横須賀・本町の正式名も記述
ドブ板通りの下水溝の蓋にはトランペットの図 ドブ板通り 田島令子の手形レリーフ ドブ板通り 渡辺真知子の手形レリーフ ドブ板通り 日野晧正の手形レリーフ ドブ板通り 福原彰の手形レリーフ ドブ板通り 阿川泰子の手形レリーフ

「軍港ヨコスカ」をうろうろ歩き(4)2013/05/11 21:12

 「軍港めぐり」と「ドブ板通り散策」と明日の準備の各種買物を済ませるともう夕暮れ時になっていました。

 夕飯は「軍港めぐり」乗船場の近くにあったアジアンキッチンサワディーというエスニック料理のレストランに入りました。

 タイのシンハービール付きおつまみセットAを注文しました。生春巻き、ローストチキン、キュウリのソムタムの3品です。
生春巻き・ローストチキン・キュウリのソムタム3品とシンハービールのセット

 お昼が重たい食事だったので夕食は軽めにしました。
インドネシア風ナシゴレンにローズピーチ&マンゴージュース付きを注文しました。ナシゴレンはマレー系の焼き飯です。
ナシゴレンとローズピーチ&マンゴージュース


 レストランを出てホテルに戻るため歩道橋に上るとヨコスカ軍港が目の前です。よく見ると暗がりに潜水艦も停泊しています。
 明治以来、帝国海軍の軍港だったヨコスカ。敗戦後は米国海軍の軍港に当然のように置き換わったヨコスカ。その姿が今、目の前にあります。今日半日、貴重な観察ができました。
ヨコスカの黄昏時 中央ピンクの建物がステーショングリル。その背後に軍港めぐりの乗船場がある。

房総半島沖に海鳥オオミズナギドリの巨大な群2013/05/15 17:43

 東京湾を抜けて房総半島南端沖10キロを航行する船の南側に夕陽を受けて白く光る海鳥オオミズナギドリの巨大な群が出現した。
 一体、何千羽居るのだろうか?数え切れない鳥の群とはこういう状態だろう。
房総半島南端沖でオオミズナギドリの大群に遭遇

 想像だが、夕方だから巨大な群が出現したのではないだろうか。昼間は分散して採餌活動に励んで夕刻には集団を作ることで安全に眠るのではないだろうか。いつも観察している都会で暮すカラスやアオサギの行動パターンから類推してそうではないかと思った次第。

 オオミズナギドリは、小笠原諸島や火山列島で繁殖し、東京湾を出ると春から秋に掛けて最も一般的に見られる海鳥。翼開長(翼を広げた時の長さ)は約100センチ。

鹿島灘を飛ぶコアホウドリ2013/05/20 22:22

 船は鹿島灘を行きます。
 茨城県鉾田市沖40キロの海上です。
 貨物船の姿をよく見かけます。
 コアホウドリがグライダーのように早朝の空を滑空しています。
鹿島灘を飛ぶコアホウドリ
 コアホウドリは北緯28度~55度の北太平洋を生息地域にしていて繁殖時期を除いて一生を大海原で過ごします。羽を伸ばすと2メートルにもなりますが、この大きな海洋で仲間と出会う機会はほとんどないでしょう。日本のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に分類されているほどです。常に群れているのが常態の人間なら孤独に耐え切れず死んでしまいそうです。
 コアホウドリとほぼ同じ北太平洋を生息地域にしているアホウドリ科の鳥は、アホウドリ(Diomedea albatrus)、コアホウドリ(Diomedea immutabilis)、クロアシアホウドリ(Diomedea nigripes)の3種です。