アマゾンの日本向け向け電子書籍販売9月に開始2012/07/29 10:15

 7月28日の朝日新聞経済面に電子書籍関連の記事が2件並んで出ています。大きな記事は「米アマゾン社は、日本国内向け電子書籍配信サービスについて、8月末から9月にかけての開始をめざして最終調整に入った。」「電子書籍を読むための端末「キンドル」も国内で発売する。」「アマゾンはこのほど「EPUB3」などで作ったファイルをキンドルで読めるようにするプログラムを公開。出版社にガイドラインを公開した。」などなどと書かれています。

 米アマゾンは、印刷された書籍の通販で最大手です。実店舗書店を含めても世界最大手です。電子書籍販売でも最大手です。その巨人アマゾンが日本でも電子書籍販売を9月にも開始することを最終調整中という話は電子書籍に関心を寄せる者にとっては大ニュースです。同時にキンドル端末(機種は99ドルのkindle touchと見られています)の日本向け販売も開始です。
 そのメイン記事の傍らに添えられていたのが『「勝てる」と自信 楽天・三木谷社長 1週間で端末販売10万台』という記事です。『「日本の電子書籍市場の半分をとる」と話すのは、楽天の三木谷浩史会長兼社長(47)。』『世界最大手のアマゾンも近く参入予定だが、「勝てる」と自信を示した。』との内容です。

 楽天は11年11月にkobo.incの買収を決定し、12年3月末までに236億円を手当てして完全子会社化したのですが、7月の端末販売と日本向け電子書籍配信サービス開始までに準備時間が無かったも同然です。アマゾンより先に販売開始して日本でシェアーを固めないと236億円が無駄になると必死で楽天は突き進んだのでしょう。

 準備不足で突き進んだ7月19日の販売開始。端末kobo touchの日本語化未完成部分や使用開始のためにパソコンを使ってアクチベイトという作業を強いるやり方などで日本のユーザーの不興を買ったようです。販売サイトも日本語書籍3万冊とうたいながら、実際は日本語書籍が1万8千894冊しか揃っていなかったとITmedia社が運営するeBook USERというサイトのレポートでは言っています。現状を踏まえると「日本の電子書籍市場の半分をとる」との楽天会長兼社長(47)の発言は大言壮語としか思えません。

 「kobo touch」少なくとも英-日辞書ぐらいは今後使えるようにしてくれるのでしょうか?