雑誌の電子化(PDF化)に四苦八苦、七転八倒2011/05/30 23:12

 3月始めにドキュメントスキャナーS1500を購入、更に大型裁断機も購入して準備は整えたが、どうしたらいいのか見当が付かない状態だった。マニュアルや参考書を読んでもよくわからない。最初から完璧によろうと構えすぎたようだ。

 やりながら、失敗を重ね、ベストなやり方を見い出していくしかないとやっと分かってきた。多分、人様のやり方を読んだり調べてもあまり役に立たないと思う。条件や目的が人それぞれだからだ。書籍の電子化に当たって、全てが完璧な結果が得られない場合、何を優先して何をあきらめるかは個人の判断だからだ。

 ベストな結果を求めれば時間と手間が掛かる。それでも妥協せず時間と手間を書籍電子化に投入するのか、不十分な不満足な結果でも短時間に手間をできるだけ省いて数をこなすのか、判断の分かれ目だ。

 最初に取り組み始めた電子化の対象書籍が、カメラ雑誌「アサヒカメラ」である。一番難しいものから始めたなあ、といま、思っている。
 活字だけが並ぶ一般書籍と異なり、雑誌は、写真と文章が並存しており、両方を最適な状態に電子化するのは難しい。
 ここで私の判断は写真を優先して忠実に取り込むこと。写真は多階調(モノクロは8bit、カラーは24bit)、一方、文章は白か黒かの1bitである。1冊平均350ページの「アサヒカメラ」の全ページを多階調でスキャニングしている。

 写真優先で取り込んでいるのだが、カメラ雑誌は電子化に当たって難問が多い。
見開きページが多いのだ。左右のページを使って一枚の写真を掲載している。背表紙を裁断機で落とすとき、大目に切り落とすと、PDFリーダーの見開きモードで見たとしても左右がつながらなくなってしまう。
カメラ雑誌は見開きページが多い

 更に、綴じ込み写真が挟まれている号もある。綴じ込み写真は付録ではなく、正規の本文として扱われていてページ番号が割り当てられている。これも別途、平面スキャナーで取り込んで処理しないとページ数が合わなくなる。
 このアンセル・アダムスの大きな写真は片面を4回に分けて平面スキャナーで取り込み、画像処理ソフト(Photoshop)で一枚に合成した。裏表で8回のスキャニングが必要で画像処理時間も含めて長時間の作業になる。
雑誌の綴じ込み写真
 雑誌の綴じ方が紐綴じと接着剤を併用していて、紐の部分が長年の圧力で紙に圧を加えていて多数のしわをつくっている。このしわがスキャナーで過剰に強調されて取り込まれ大変醜い結果になる。このしわを取り除くためスチームアイロンを使って伸ばそうと努力したが、軽減はできるが完璧にはとれない。ページ数が多いので膨大な時間が掛かる。

 3月始めにドキュメントスキャナー大型裁断機を購入したが、以前から持っていた平面スキャナーディスクカッターも必要な場面がある。ディスクカッターは回転刃スライド方式のCarl DC-200という安価な機種を持っているが、慣れると0.1mm単位の精密な裁断ができる。大型裁断機で切った後、不必要な部分の修正切りに使っている。平面スキャナーはepsonのGT-X700を使っている。

 他にも山のようにトラブルや問題が襲い掛かってくる。雑誌の電子化は並大抵な作業ではないことだけは分かってきた。

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