極秘作戦で殺害と深夜の会見で成果を誇る大統領2011/05/03 16:08

 すでに、マスコミで大々的に伝えられているように、米大統領が深夜、異例の会見を開き、パキスタンの首都イスラマバード近郊にあったビン・ラディンの住居に少数部隊を差し向け、極秘作戦で本人や息子を含む5人を殺害したと高らかに成果を謳い上げた。テレビには、米国で「U.S.A、U.S.A.」を連呼して歓喜する群集の映像も流れた。大統領が異例の深夜会見を開いて殺害成功を伝えたのは、米国の選挙民に断固として「米国の理念を実現するためにはあらゆる事を躊躇しない」強い大統領の姿をアピールするため。

 当日の新聞報道では、米国のスパイ組織CIAの長年にわたる活動でビン・ラディンの住居を突き止め、極秘に殺害作戦を実施するため、パキスタンを含むあらゆる同盟国に通報せず、ヘリ3機を使って少数の部隊で実施したとのこと。

 次期大統領選で再選をめざす米大統領は国内的には大受けで意気揚揚の会見だった。作戦を行ったのは米軍部隊なのかCIAの暗殺専門家なのか発表はないが、パキスタンという主権国家の首都近郊で米国大統領が命じた部隊が、「米国の理念に反する人物」を、パキスタン国家に通報することなく殺害し、命じた大統領は何の国際法上の疑義も感じていない様子なのだ。

 「米国の正義を実現するため」には躊躇することなく、他国の主権も、国境線も無視する米国という国家が地球に存在することが恐怖である。アフガニスタンは戦場であるがパキスタンは戦場ではない。パキスタンで米国が部隊を動かして暗殺作戦を実行する法的根拠はまったくない。

 その後の新聞報道を読むと、ビン・ラディンらの死体は、パキスタン当局に引き渡すでもなく、直後に、水葬にしたとのこと。パキスタン当局に渡したら検死で、遺体の損傷ぶりとかが伝わり、一部イスラム教徒の怒りを呼ぶことや、埋葬されたあと、彼らの聖地になることを恐れて米国はインド洋上空にヘリでそのまま運び重りを付けて永久に遺体が見つからないように処理したのだろう。死亡したことの検証も第三者にゆだねず、死者の埋葬すら認めないやり方は異教徒への仕打ちとして一部イスラムから強い反発をよぶのではなかろうか。

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