嘉納千紗子さんの作品「INNER MIND」を見る=こうべ芸文美術展で2014/11/15 00:33

 第40回こうべ芸文美術展で彫刻家の嘉納千紗子さんにお会いした。嘉納さんは今回、白いストロー彫刻を出品されていた。嘉納さんと言えば赤い長いストローを大量に束ねた大きくて赤色の強烈な作品を「INNNER MIND」の統一名称で発表されてきた印象が強い。今回は白くて短いストローの集合体で作った固い薄い円盤状の物体だ。印象ががらりと変わっている。作者にお話をうかがった。
                  =神戸市灘区の原田の森ギャラリーで
嘉納千紗子「INNER MIND」=こうべ芸文美術展で
 嘉納千紗子さんの作品「INNER MIND」。束ねたストローを熱で融着させて作り出した白い“雲”のような“クラゲ”のようなオブジェが銅パイプを螺旋状に曲げて作ったスプリングの上に取り付けられている。
嘉納千紗子さんの作品中心部を拡大するとストローの集合体だと分る
 オブジェの中心を真上から見る。拡大して見るとストローがすき間なく密着してハニカム構造を形成しているのが分る。中心部は太いストローを使っている。熱で融着したストロー集合体は非常に硬く丈夫なオブジェに変貌している。
作者の嘉納千紗子さん(右)から説明を聞く美術展鑑賞のたち
 展覧会を見に来た入場者の方たちも嘉納千紗子さん(右端)と作品の周りに集まって来られた。嘉納さんから「どうぞ触って見て下さい」と言われ作品に触れると硬い白い円盤がゆらゆらと漂う。非常に堅牢なオブジェなので触ったりゆすったりしても大丈夫なのだ(作者立会いの下に触らしてもらったが、この会場でも彫刻や絵画に触ることは禁止と表示されている)。
 触り動かすことで見るだけとは異なる別の楽しさが広がる。“不思議な”作品に次々質問も飛び出す。作者との応答を通じて現代彫刻への関心と理解が深まった様子だった。
 展覧会入場者とアーティストが作品を前に交流できれば理解が何倍も広がり美術鑑賞の楽しみも倍増するはずだ。特に一般になじみの薄い現代アートではなおさら重要ではないだろうか。

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