雑誌の電子化では数々の難題が発生2011/06/30 22:28

 必死の取り組みで雑誌「アサヒカメラ」の電子化はほぼ終えようとしています。
しかし、雑誌の電子化は大変な労力がかかるなあとつくづく感じています。

 ここまでアサヒカメラの電子化(PDF化)を達成できたのは、ドキュメントスキャナー「ScanSnap S1500」の功績が一番大きいのは間違いありません。平面スキャナーに比べ処理速度で100倍以上の能力を発揮してくれました。これなくしては不可能でした。S1500以外のドキュメントスキャナーについては何の知識もないのでコメントできませんが、ドキュメントスキャナーなしで書籍の電子化は不可能です。

 雑誌「アサヒカメラ」電子化での難題の数々。 その1は強いしわの発生です。

 今回、処理した80年代、90年代のアサヒカメラは、各ページを束ねて雑誌にまとめるために接着剤+紐綴じのような処理がされているのです。製本について知識がないので紐綴じという表現は間違っているかもわかりませんが、雑誌を切断するとそのように見えるのです。
 雑誌はグラビア印刷されているアート紙?、モノクロの巻末広告が並ぶ上質紙?、印刷もカラーやモノクロオフセット印刷と品質の劣る凸版印刷などが混ざっていて、髪質と印刷方法が同じ一定枚数のページが単位になって綴じられています。その束を集めて接着剤で固めて一冊の雑誌に仕上げているように見えました。
 この紐綴じ部分が経年変化の紙の伸び縮みに対応できず、各ページにしわを発生させる原因になっているように思います。写真が命のカメラ雑誌で、このしわがすごく醜い電子化結果につながってしまいます。
しわが強く出たドキュメントスキャナー処理

これでは写真として鑑賞できる許容限界を超えています。アイロンでしわ取りをやってみました。見た目にはほとんどしわが取れますが、ドキュメントスキャナーで再度スキャンしてみた結果は減りましたがまだ残っています。
アイロンでしわ取り後、再スキャン結果

平面スキャナーでスキャンしてPhotoShopで処理しました。スキャン時には圧を加えて平面化するようにしています。ほとんど、しわが取れました。ここまで手間を加えると膨大な時間を使うことになります。
しわが消えた平面スキャナー処理結果

結局、自分にとって重要な写真で、しかもしわの発生がひどいものだけはアイロンでしわを伸ばし、平面スキャナーで処理。余り重要ではないがしわがひどいものはアイロンでのしわ伸ばしだけを実施しました。
(上の写真はすべてPDFファイルをAdobe Acrobatの見開き表示モードで見た状態です。ディスプレーは1792ドット×1344ドットとかなり高精細なものを使っていますので雑誌の見開き表示で細かい文字がそのまま読めます。PDF化した雑誌を見開き状態で読むには最低このくらいの画素数のディスプレーが必要です。)

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