古い洋酒 寿屋 HERMES 95 DRY GIN2011/04/26 15:19

 古い洋酒コレクションの第2弾です。サントリーの前身、寿屋が発売していたHERMES 95 DRY GINです。箱のデザイン、特に色使いが素晴らしいです。背景の赤ボトルの紺色の対比、アバンギャルド絵画の影響を感じます。箱が年代を重ねて古色を帯びたためかもしれませんが、広い面積を占めるも自己主張せず、ボトルと調和を保っています。この箱がなければ値打ちが半減します。蓋部分が欠けているのは痛いです。赤玉ポートワインもそうですが、寿屋のデザインは、本当にすごいです。中身がそれに反してひどいので飲むとがっかりさせられます(個人的見解です)。
寿屋 HERMES 95 DRY GIN 外箱
 箱からボトルを取り出しました。キャップの青に感動しました。青地に紺色でヘルメスのシンボルマークも美しい。赤箱から出てきた青いキャップ。色の対比を計算しているとしか思えません。包み紙も趣があるのですが上部は欠損しています。欠けているから青いキャップがいきなり見えて感動を与えるのだとも思います。
寿屋 HERMES 95 DRY GIN 包装
 ボトル包み紙の裏側にはジンを使ったカクテルの作り方が載っています。この洋酒はあくまでカクテルのベースに使うことを前提にしているようです。ストレートで飲んで文句言わないでねと予防線を張っているように思えます。製造元情報として「強酒精酒(強いスピリッツ) ヘルメス ジン アルコール分47.5%(95プルーフ、名称の95は度数47.5%の意味) 大阪市北区中之島2丁目 株式会社 寿屋」と表示されています。
寿屋 HERMES 95 DRY GIN 包装裏側
 いよいよ包み紙を解いてボトルを取り出しました。デザインについては文句のつけようがありません。95の両脇に植物が描かれていますが、ジュニパー・ベリーjuniper berries杜松の実=ねずのみ)です。
 1962年発行の「カクテール全書」によると、ジンは17世紀中ごろ、オランダ・ライデン大学のSylvius教授が創出。粗悪な蒸留酒を香付けして飲めるようにするためジュニパー・ベリーを蒸留過程で加えた。独特の松やに臭はジュニパー/ベリーの香である。このオランダ・ジンに対して英国で作られたのがロンドン・ジンである。採取後3年以上乾燥させたジュニパー・ベリーを使うので香が強すぎない。ロンドン・ジンはドライ・ジンオールド・トム・ジンに分かれる。ドライ・ジンは無職透明のものが多いが、中には樽に入れて寝かせたため薄い琥珀色をしたものがある。これが本来のロンドン・ジンである。オールド・トム・ジンはドライ/ジンに少量のシロップを加えて甘口にしたもの。
寿屋 HERMES 95 DRY GIN ボトル
 ボトルをぐるりと回して裏側を見た。ボトルの姿がより分かる。角を落として8角形にしてあり、上部は丸みを帯びアーチ状にも見える。どっしりとして優美。裏側にはHermes Dry Ginと筆記体で彫られている。
寿屋 HERMES 95 DRY GIN ボトル裏側
 味には期待していないから飲もうとは思わない。このままオブジェとして飾りケースに置いておくつもりだ。