パソコンの電源が焼けていた2011/04/23 10:58

 メインで使っているPCが使用中突然、電源が落ちる現象が今年に入り、たまに出ていた。その頻度が激しくなり、昨日はWindowsが立ち上がった直後に電源が落ちる状態になった。このPC、マザーボードの領収書を見ると2002年11月に購入しているから、もう8年以上使い続けてきた事になる。

 もう使いつづけるのは不可能。面倒だがメインマシンだから仕方なく修理に取り掛かった。ケースを開けるまでも無く、電源のトラブルだとは想像がつく。Windowsまで立ち上がっていたのだから、CPU、メモリー、HDDなどに問題は無い。電源が落ちた後、ファンの回転音はしないが、マザーボードへの通電を示すLEDだけが点灯している。おそらく電源の+12Vが落ちて、CPUが突然停止すると想像される。

 ケースを開けて、HDD、FDD、CDDなどの結線をすべて外し、再度電源を入れてテスト。BIOSが立ち上がって数秒で電源が落ちる末期状態。ドライブ類は無関係と確認。先日、別のマシンで最新の80PLUS電源に入れ替えて、廃棄予定だった電源と交換してみた。今度はBIOS画面のまま10分間放置しても正常。電源が原因と確信した。

 故障の疑いが強い電源をケースから取り出し、蓋を開ける。開封すると保証が受けられませんと英文で書いたシールが貼ってあるが、もう保証も切れている。電源は2006年1月に購入したSWテクノロジーのLC-424P(400W/24PIN/SATA)という製品で5年で寿命が尽きたことになる。シールを切ってネジを回して電源ケースを開ける。

 電顕トラブルのほとんどが電解コンデンサーの破損が原因。基板上の部品を見ていく。ぱっと見たところ異常は見られない。が詳細に見ていくと頭部が膨らんで盛り上がった電解コンデンサーを2個発見。原因はここだな!温度上昇で内部の電解液が気化して内圧が高まって膨らんだと思われる。頭部に十字線が刻まれているのは、内圧が高まり大爆発するのを防ぐため、裂け易くして、裂け目から圧を逃がすようにした工夫。原発事故で原子炉格納容器の大爆発を防ぐため、内圧を下げようと弁を開け放射性物質を含む空気を放出するベント操作と同じ理屈なんだ!
故障した電源の基板には焼けた痕跡も
 一応、耐熱温度105℃の電解コンデンサーのようだが、当たり外れがあるようだ。その周囲をよく見ると基板が赤茶色に変色している部分がある。高温になり焼けたようだ。発火には至っていないが焦げ跡を残した。基板を止めているネジを外して裏面を見てみる。裏面には絶縁用フィルムが乗っかっているが、これに赤茶色に焦げた跡がある。フィルムが熱で変形している。
故障した電源の基板を裏返すと焦げ跡が
 2年ほど前に、別の部屋に置いていたPCで異臭が出て部屋中に煙が漂うところまで行く電源焼損事故も経験している。その時は漏電だと早とちりして消防を呼んでしまう恥ずかしい失敗もした。
 長年PCと付き合ってきて遭遇した故障原因の1位が電源、2位がHDDである。CPUやDRAMは故障したことが無い。故障しなくてもマイクロソフトとインテルが歩調を合わせて新商品へ移行して行き製品寿命が尽きてしまう。アプリケーションも以前のWindowsをサポートしなくなるので、不必要な機能を盛り込んで動きが重たくなった新Windowsへの移行を迫られる。重たいWindowsを走らせるために新しいハードウェアが必要になる。Wintel(MicrosoftとIntel)だけが巨大な利益をあげ続ける仕組みの中に世界中の人々が組み込まれている。