米大使館が福島原発から80Km圏外へ退避勧告2011/03/17 09:45

 asahi.comによると「在日米大使館は17日未明、日本に滞在している米国民に対し、福島第一原発の半径80キロ圏内からの避難を勧告した。」との報道。
 それに先立ち、同じくasahi.comによると「米国防総省のラパン副報道官は16日、東日本大震災の救援活動にあたる米海軍などの要員に対し、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止したことを明らかにした。」との報道があり、米国防総省の決定を受けての在日米国大使館の指示だろう。

 日本のことは米国に聞けと言われるぐらい、日本の深層情報を握っている米国から出た指示は、福島第一原子力発電所の16日時点の状況を一番示しているように思える。
 福島第一原発1号機は米国のGE(ジェネラル・エレクトリック)が主契約者として建設した原子炉。2号機以降はGE、東芝、日立が単独または共同契約者として建設している。

追加: 17日、オバマ米大統領は自ら米国民に80キロ圏からの退避を呼びかけた。

追加: asahi.comが伝えるワシントン特派員電では「米エネルギー省のポネマン副長官は17日、ホワイトハウスでの記者会見で、福島第一原発の事故による住民の避難範囲が日米で食い違っていることについて「(日本側による)措置はとりあえず正当、というのが私たち全員の見解だ」と述べ、問題ではないとの認識を示した。」

福島原発の詳細情報を米国が独自に把握2011/03/17 16:46

 asahi.comによると「米原子力規制委員会(NRC)のジャツコ委員長は16日の米議会公聴会での証言や米ABCの取材で、『福島第一原発4号機の燃料プールには「水がなくなっていると理解している』と述べていた。」との報道。

 日本で発表されていない事実だが、情報源は正しいのだろうか。日本では、16日に自衛隊ヘリが観察した結果、4号機燃料プールには水があるが、3号機燃料プールは水位低下が著しいと17日に逆の発表がされている。

 ワシントン時事によると「東日本大震災で、米空軍が最新鋭の大型無人偵察機「グローバルホーク」を投入し、放射能漏れが続く福島第1原発の上空付近を飛行させて撮影していたことが16日、分かった。(中略)13日から被災地上空での飛行を開始した。」

 13日から無人偵察機で福島原発上空を偵察飛行していたとなると米国側が正確な情報を常に持っているとも考えられる。

 原発建設推進に舵を切った米国政府にとって、福島原発事故の今後は重大関心事である。福島原発が制御不能、全員撤退の事態になれば、世界の原発建設に大ブレーキが掛かるだろう。

追加: asahi.comが伝えるワシントン特派員電では「4号機の核燃料プールについて、米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は同じ会見で「さまざまな矛盾する情報があるが、十分な水で燃料を冷やし続けるという困難な作業があることだけは間違いない」と述べ、「水はなくなっている」とした16日の下院公聴会での証言を事実上、修正した。また同委員長は原子炉の冷却に「数週間かかる」との見方も示した。」
東電は4号機の貯蔵プールには水があると反論していたが、ヤツコ(ジャツコ)委員長発言を3号機の貯蔵プールに置き換えると、確かに水はほとんど無い状態であり、日米の見解に大きな違いは無い。