「第15回 丸池’69展」を拝見し、話を聞きました ― 2013/11/22 19:35
京都・三条柳馬場東入ルの「ギャラリー吉像堂」で11月12日から17日まで開かれていた『第15回 丸池’69展』を拝見しました。『京都画廊連合会ニュース』で知りました。
『京都画廊連合会ニュース』は毎月、京都画廊連合会が発行する機関紙で加盟画廊の展覧会日程が詳しく掲載されています。2013年11月号にはスペースを大きく割いて『第15回 丸池’69展』を紹介しています。加盟画廊数が80以上もあり、週単位で展示替えがあることを考えると、月1回発行の『ニュース』にこのように大きく取り上げられるのは大いなる名誉です。その一部を以下に引用させていただきました。ニュースは上質紙にモノクロ印刷ですが、掲載作品箇所をカラーに置き換えています。
『ニュース』の編集部から作品の写真提供を求められたのが2ヶ月も前だったので作品がまだ完成しておらず写真を送れなかったと残念がる方もいました。
京都府画学校から続く日本最古の歴史を誇る京都市立美術大学は1969年4月、京都市立音楽短大と統合され、京都市立芸術大学に大学名を変更しました。芸術大学新キャンパス建設は候補地が浮かんでは消える紆余曲折があって停滞し、美術学部の学舎は1980年3月まで元の東山区今熊野日吉町の木造校舎利用が続きました。
1969年3月、京都市立美術大学日本画科最後の卒業生たちは、その後も集まりを続け、不定期に合同展を開いていたのですが、14年前から東山校舎のシンボルだった丸池の名を冠した『丸池’69展』を定期開催してきました。
日本画科の同級生たちが44年後も多数集まって合同展を開いているという事実に感動しました。またその結束をうらやましく思います。
日本画科卒業ですので、当然、日本画の出品が多数ですが、アクリル画や銅版画の出品もあります。木彫も1点ありました。今回、11名の方の作品を見せていただき、その思いを幾らかは感じ取れたと思います。来年はどんな作品を見せていただけるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。
「ギャラリー吉像堂」は漆器・工芸品の「西村吉像堂」の2階です。階段を上がって左手の展示作品を紹介します。左から奥谷澄『時』『百合』。左奥で1作品が見えませんが、神野立生『Traces of Nothingness』(銅版画)。木村順子『るり渓』『睡蓮』『白雪草』『椿』。小坂敦子『君住む街』『塩湖』。塩山強(作品名の表示なし)。
右手の展示作品を紹介します。左から上田彊『作品』(アクリル画)。藤田一郎『「気」くさむら』。高嵜千歳『少女と人形たち』『バレエのおけいこ』『ガラスのビンの薔薇』。鎌田隆行『あや「ちち子」とり』『あや「ねネ」とり』『あや「わっ」とり』『あや「ちち」とり』(何れも銅版画)。殿南直也『さねかずら』『飛天』『飛天』『しおん』(壁の影で見えません)。池田三郎『鶺鴒』『争雀』(木彫)。
上の2枚の写真でほぼ会場の作品を網羅していますが、曲がり角の奥にあり、まったく写っていない作品や見えにくい展示もありますので以下に写真を追加します。
左から奥谷澄『百合』。神野立生『Traces of Nothingness』『Traces of Nothingness』(何れも銅版画)。木村順子『るり渓』。
左から木村順子『白雪草』『椿』。小坂敦子『君住む街』『塩湖』。
左から藤田一郎『「気」くさむら』。高嵜千歳『少女と人形たち』『バレエのおけいこ』『ガラスのビンの薔薇』。
高嵜さんは「未来に希望が持てるような絵を描いて行きたい」と話しておられました。お孫さんがモデルではないかと想像するのですが、描かれた少女の曇りの無い無垢な瞳を見るとその言葉の意味が良く分るような気がします。
左から殿南直也『さねかずら』『飛天』『飛天』『しおん』。池田三郎『鶺鴒』『争雀』。
池田三郎『争雀』。 三条通りに置かれた「第15回 丸池'69展」看板。 池田さんの出品作『鶺鴒』は日没後、空に僅かに残照が残る時間帯でしょうか、川面をキセキレイがねぐらへ飛んで行きます。あるいは夜明け前、空が微かに白み出した刻限、キセキレイが餌場へ飛んでいく情景でしょうか。写真では黒一色に見えるかもしれませんが、黒の中に川面も背後の森も実に丁寧に情景が描きこまれているのです。『争雀』は長年のスズメの生態観察を元に生み出された時間の結晶です。2年間掛けて彫り上げた作品は繊細で木彫でここまで出来るのかと驚かされました。
『京都画廊連合会ニュース』は毎月、京都画廊連合会が発行する機関紙で加盟画廊の展覧会日程が詳しく掲載されています。2013年11月号にはスペースを大きく割いて『第15回 丸池’69展』を紹介しています。加盟画廊数が80以上もあり、週単位で展示替えがあることを考えると、月1回発行の『ニュース』にこのように大きく取り上げられるのは大いなる名誉です。その一部を以下に引用させていただきました。ニュースは上質紙にモノクロ印刷ですが、掲載作品箇所をカラーに置き換えています。
『ニュース』の編集部から作品の写真提供を求められたのが2ヶ月も前だったので作品がまだ完成しておらず写真を送れなかったと残念がる方もいました。
京都府画学校から続く日本最古の歴史を誇る京都市立美術大学は1969年4月、京都市立音楽短大と統合され、京都市立芸術大学に大学名を変更しました。芸術大学新キャンパス建設は候補地が浮かんでは消える紆余曲折があって停滞し、美術学部の学舎は1980年3月まで元の東山区今熊野日吉町の木造校舎利用が続きました。
1969年3月、京都市立美術大学日本画科最後の卒業生たちは、その後も集まりを続け、不定期に合同展を開いていたのですが、14年前から東山校舎のシンボルだった丸池の名を冠した『丸池’69展』を定期開催してきました。
日本画科の同級生たちが44年後も多数集まって合同展を開いているという事実に感動しました。またその結束をうらやましく思います。
日本画科卒業ですので、当然、日本画の出品が多数ですが、アクリル画や銅版画の出品もあります。木彫も1点ありました。今回、11名の方の作品を見せていただき、その思いを幾らかは感じ取れたと思います。来年はどんな作品を見せていただけるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。
「ギャラリー吉像堂」は漆器・工芸品の「西村吉像堂」の2階です。階段を上がって左手の展示作品を紹介します。左から奥谷澄『時』『百合』。左奥で1作品が見えませんが、神野立生『Traces of Nothingness』(銅版画)。木村順子『るり渓』『睡蓮』『白雪草』『椿』。小坂敦子『君住む街』『塩湖』。塩山強(作品名の表示なし)。
右手の展示作品を紹介します。左から上田彊『作品』(アクリル画)。藤田一郎『「気」くさむら』。高嵜千歳『少女と人形たち』『バレエのおけいこ』『ガラスのビンの薔薇』。鎌田隆行『あや「ちち子」とり』『あや「ねネ」とり』『あや「わっ」とり』『あや「ちち」とり』(何れも銅版画)。殿南直也『さねかずら』『飛天』『飛天』『しおん』(壁の影で見えません)。池田三郎『鶺鴒』『争雀』(木彫)。
上の2枚の写真でほぼ会場の作品を網羅していますが、曲がり角の奥にあり、まったく写っていない作品や見えにくい展示もありますので以下に写真を追加します。
左から奥谷澄『百合』。神野立生『Traces of Nothingness』『Traces of Nothingness』(何れも銅版画)。木村順子『るり渓』。
左から木村順子『白雪草』『椿』。小坂敦子『君住む街』『塩湖』。
左から藤田一郎『「気」くさむら』。高嵜千歳『少女と人形たち』『バレエのおけいこ』『ガラスのビンの薔薇』。
高嵜さんは「未来に希望が持てるような絵を描いて行きたい」と話しておられました。お孫さんがモデルではないかと想像するのですが、描かれた少女の曇りの無い無垢な瞳を見るとその言葉の意味が良く分るような気がします。
左から殿南直也『さねかずら』『飛天』『飛天』『しおん』。池田三郎『鶺鴒』『争雀』。
池田三郎『争雀』。 三条通りに置かれた「第15回 丸池'69展」看板。 池田さんの出品作『鶺鴒』は日没後、空に僅かに残照が残る時間帯でしょうか、川面をキセキレイがねぐらへ飛んで行きます。あるいは夜明け前、空が微かに白み出した刻限、キセキレイが餌場へ飛んでいく情景でしょうか。写真では黒一色に見えるかもしれませんが、黒の中に川面も背後の森も実に丁寧に情景が描きこまれているのです。『争雀』は長年のスズメの生態観察を元に生み出された時間の結晶です。2年間掛けて彫り上げた作品は繊細で木彫でここまで出来るのかと驚かされました。
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