大塚努ピンホール写真展に行ってきました2013/04/02 23:21

 スタッフフォトグラファーだった時の同僚(少し先輩だが)大塚努さんのピンホール写真展の案内を頂いていたので、京都市中京区河原町四条上がる塩屋町のギャラリーマロニエの会場へ行ってきました。
 大塚さんはここ数年ピンホール写真(針穴写真)に打ち込んできました。
 被写体は野仏と墓前花です。ピンホール写真では中心から離れるにつれ光量が落ちていきますから、周辺はまるで焼きこんだように暗くなります。また被写体の各点から四方八方に散乱した光は微小な穴を通過した光だけが、フィルム上に像を作り出しますが、レンズのようなシャープな像はできません。それらがあいまって、墓場の花が余計におどろおどろしい表情を見せます。
 画像処理は一切していません。ポジフィルムで撮影して、ポジ印画紙へ直接焼付けをしているのでデジタル処理が入り込む余地がありません。
 使用したカメラについて説明してもらいました。
大塚努さんのピンホールカメラ
 チークだったかマホガニーだったか記憶があいまいですが、木枠を二つ重ねたものがカメラ本体です。一つが25mmで2個合わせて50mmの厚さです。すなわちピンホールが50mmレンズに相当します。後にカットフィルムホルダーが装填されています。4×5(シノゴ)シートフィルムで撮影します。前に小さな木片がありますが、これがシャッターです。これを開けるとピンホールが現れます。ピンホールは直径0.3mm、香港の業者に頼んで開けてもらったそうですが、レーザー光線でバリの無い真円の0.3mm穴を開けます。4×5カメラで50mmレンズを使っているようなものですから超広角で撮影していることになります。カラーポジフィルムを使っている上に、針穴から入射する光は少ないので露光時間が大変長くなり相反則不軌という現象が現れるので適正露光は難しいそうです。おまけに曇りの日を選んで撮影しているのでなおさら長時間露光になります。
大塚努ピンホール写真展の会場で
 最後にブログ掲載のため、大塚さんに作品の前でポーズをとってもらいました。本当は照明を落とした薄暗い展示スペースになっているのですが、撮影上、目一杯明るくしてもらいました。
 ピンホール写真による表現に興味ある方はぜひ会場へ足を運んでください。12時から19時まで。最終日7日は18時まで。