寝台特急「日本海」が定期運行を終了2012/03/16 22:30

真冬の青函連絡船展望デッキ
 大阪-青森間1023.4キロ、日本最長距離を15時間で走る寝台特急「日本海」が16日、満員の乗客を乗せて最終運行に出発したニュースを見た。1968年から続く長寿列車だったが平均乗車率が54%に落ちていた。
 朝日新聞の記事には青春の思い出を抱いて最終列車に乗り込む人の話や、若い鉄道ファンの声などが載っていた。長距離列車には多くの人々の人生の思い出が詰まっているのだろう。

 私も、大阪-北海道の往来に、いつも日本海を走る鉄道を利用したが、更に一世代前の急行「日本海」だった。
 蒸気機関車が牽引する区間では、トンネルで窓を開けていると煙が舞い込んで耳に煤が溜まった。便所は線路へ垂れ流し。便器の底から枕木が飛ぶように流れていくのが見えていた。
 所要時間も25時間と丸一昼夜以上だった。木製の硬い垂直の座席に25時間もよく座っておれたと今では思うが、当時は当たり前だった。満員の車内は通路に新聞紙を敷いて寝る人たちで埋まっていて検札の車掌も人を踏まないように通るのに難儀していた。
 青森に着くと青函連絡船乗り場に小走りに急ぐ。連絡船に4時間半乗船して函館に着く。函館からは準急「たるまえ」で札幌まで6時間ほど。結局、大阪から札幌まで36時間の旅であった。

写真は真冬(1月11日)の青函連絡船展望デッキ。誰も居ない甲板は心底まで冷え切っていた。使用カメラmamiya C220 + 80mmF3.7