政府が東電救済策を通じて金融機関を最大限優遇2011/05/11 14:21

 asahi.comなどによると、政府は、東電が責任を負う福島原発事故被害者への賠償金支払いを巡って、東電の存続を前提とした救済策をまとめた。東電と政府で交わした覚書では「すべての利害関係者に強力を求め、とりわけ金融機関から得られる協力の状況を政府に報告すること」との一文があるが東電は金融機関に「債務免除や金利減免を求めない意向」と金融機関への債務を最大限優先して支払保証すると表明している。一方、損害賠償支払いは多額過ぎて支払えないので政府の援助を最大限お願いしたいとしている。

 東電の大株主でもある金融機関・投資ファンド・保険会社が保有する東電社債の金利元本を全て保証し、金融機関からの借入金も全額返済保証しますとする一方、国に援助を求め、政府は東電救済のため特別国債を発行し、新設する「機構」を通じて賠償資金に当てる。東電は政府からの資金を電気料金値上げによる利益金で返済する。

 結局、政府の東電救済策は、メガバンク3社首脳が政府に申し入れていた要望に沿う形で金融機関には一切損失を与えない、そのつけは国民に電力料金値上げの形で払わせる---との構図でまとめようとしている。東電から電力を買っている受電者は平均16%の値上げ、沖電を除く8電力からの受電者は2%の値上げで、5兆円規模の損害賠償金を負担することになる。

 東電存続を前提とした政府案が伝わった東京株式市場では、破綻の恐れから一時200円代もつけた株価が、上昇し500円を突破した。

 「原発事故の賠償の枠組みが13日、閣議決定される見通し」とasahi.com。