スリック製の雲台「フィールドバランス」購入2005/09/16 22:02

フィールドバランス雲台
 マンフロット製の小型ビデオ雲台「700RC2」を使ってきたが、気に入らないのは目標をカメラに導入して最後に縦方向の動きを止めるノブを締めると大きく方向がずれる点だ。快適な操作性を目指して、フィールドスコープ用雲台と触れ込みのスリック製「フィールドバランス」を\37,800で購入した。

 700RC2に比べ3倍以上の価格と2倍以上の重量とマイナス要素も大きいがその性能はどうだったか。動きは700RC2に比べずいぶん滑らかになったが、最後にきっちりティルトノブを締めると700RC2ほどではないが少し動く。軽く締めた状態でシャッターを切らざるを得ない。

 完全に満足とはいかないが、700RC2よりは快適な動きを得られたので以後使いつづけている。雲台重量が520gから1.2Kgと増えたので、三脚+雲台+カメラを担いで歩きつづけると以前より負荷を感じる。

中秋の名月をデジスコ撮影2005/09/19 00:14

中秋の名月をデジスコ撮影
 今日は中秋の名月とニュースで聞いていた。午前0時前になって、そうだデジスコで月を撮影するかと思い立った。三脚にフィールドスコープやデジカメをセットして玄関先に出てみた。ほぼ南天の真上近くに満月があった。フィールドスコープを上に向けるので、三脚のエレベーターを一番上まで上げてやっと月をとらえられる。月の移動速度は早い。雲台のストッパーノブを締めても、すぐ視界から外れていく。

 40Xのアイピースにオリンパス5060WZの組み合わせ。月の全体像を画面に入れようと、カメラの焦点距離を12.2mm(35mmカメラ換算焦点距離57mm)にすると、周辺が光量不足で月の一部が欠けてしまう。デジカメの焦点距離を最望遠側の22.9mm(110mm相当)にして撮影したので、35mmカメラ換算の合成焦点距離は4400mm、合成F値は15.3だ(合成F値は40×22.9÷60)。暗くて長~い超超望遠レンズだ。

 サンプル写真は、カメラのISO感度を200、露光量補正-0.7、ホワイトバランスを晴天に設定して、F値が4.8、シャッター速度が1/100秒になった。トリミングはしていない。撮影時刻は23時46分4秒。

 その画質だが、そのままでは、非常に眠くて、フラットで、解像感も乏しい。原因は大都会の汚れた空気層が曇りガラスのように月を遮っているのと、その空気層に大都会の灯りが反射するためだ。画像処理ソフトでコントラストや解像度を上げる処理をしている。

ボルネオ島でデジスコ2005/09/23 23:04

カラードキングフィッシャー
 8ヶ月に渡ってフィールドスコープとコンパクトデジカメを組み合わせて超望遠撮影をする“デジスコ”に取り組んできた。システムも完成形に近づいてきたところで、ボルネオ島にデジスコによる野鳥撮影に出かけた。

 ボルネオ島の中で一番行き易い、最近売り出し中のリゾート、マレーシア・サバ州の州都コタキナバル周辺での撮影である。安易にもほとんどホテルの敷地内、しかも建物の中から撮影した。

 安易すぎるように思われるが、ホテルの上層階からのデジスコ撮影は利点が多い。野鳥は木の上に止まっているが、下から見上げると、特徴の無い鳥のお腹を写すことになるし、背景が曇り空の場合、強い逆光になり、綺麗な写真は無理だ。上層階から撮ると、鳥を水平か見下ろす角度で撮影でき、特徴のある背中や真横の写真が、カラー発色も鮮やかに撮れる。

 ベランダで香取線香を焚いてお茶を飲みながらの撮影も優雅だし、6階の渡り廊下から三脚を構えての撮影もスコールに降られる心配もなく、蚊も寄ってこないし長時間粘っていても快適だった。このホテルは、裏山が自然保護区になっており、森の表層に現れた野鳥やサルやリスをデジスコで撮影するには、最上階の渡り廊下が好都合だった。

 炎天下、デジスコ装置を担いで、ホテル周辺のマングローブ林を汗をかきかき歩き回ったが、成果は無かった。電線に止まったツバメを撮ったが下から見上げると白いお腹しか写らず野鳥写真としては失敗作だった。高い位置から撮らないとだめだと再確認する結果になった。

 使用したデジスコ装置は
1.フィールドスコープがニコンのEDⅢ
2.接眼レンズが24XW/30XW DS と40XW/50XW DSの2本
3.ブラケットがニコンのFSB-1
4.デジカメがニコンCOOLPIX5900
5.SDメモリーカード(512MB、20MB/Sの高速タイプ)
6.デジカメ用電池EN-EL5の予備
7.ビクセンスポットファインダー
8.DOS-FSB1 BASE
9.液晶フードDW-46
10.スリック製雲台フィールドバランス
11.ベルボン製カーボン三脚シェルパPro631EL

 今回は沢山の野鳥撮影に“成功”したが、その中の一枚を参考に添付します。英文の図鑑を調べるとCollared Kingfisher(和名ナンヨウショウビン)。撮影データはカメラのF値が4.9、シャッター速度が1/6秒、ISO400、焦点距離23.4mm(35mmカメラ換算113mm)。フィールドスコープとの合成焦点距離(35mmカメラ換算)が4520mmという超望遠で、しかも1/6秒にもかかわらずブレていないが、被写体距離が遠すぎ、大幅にトリミングしている。