デジスコに悪戦苦闘2005/05/13 16:29

 野鳥の写真は、一眼レフカメラと超望遠レンズで撮るものと思いこんでいた。昨年(2004年)11月に、フィールドスコープとコンパクトデジカメを組み合わせて野鳥の写真を撮る方法を解説した本を偶然手にした。
 本を見ると野鳥をアップで撮った鮮明な写真が掲載されていて、しかも簡単にできそうに書いてある。
 趣味でネイチャーフォトをやっていた昔の魂がよみがえり未知の分野に突入してしまった。
 やってみると、そう簡単ではありませんでした。その悪戦苦闘ぶりを記録していきます。

 ちょっと脇道にそれますが、天体写真の入門書(田中千秋著:図説天体写真入門1985年)によると、天体写真の拡大撮影法には3通りある。1が直接撮影法で望遠鏡の対物レンズの像を直接カメラの焦点面に当てる。2がリレーレンズ法でリレーレンズ(接眼レンズなど)で拡大した象をカメラの焦点面に当てる。3がコリメート法で接眼レンズの拡大像を更にカメラのレンズを通して撮影する。と解説している。
 もっとも拡大率が高いコリメート法をフィールドスコープに応用したのが、通称、“デジスコ”ということになるようだ。

最初の買い物2005/05/14 23:21

最初の購入品
 できるだけ安く一式揃える、将来性も考えて機種を選ぶ、との方針で買い物をする。昨年11月のことだ。
 フィールドスコープがビクセンのジオマED52ーSセット(¥31,752)
     (ED52-Sセットは接眼レンズGLH20が付属)
 デジカメがオリンパスのC-5060WZ(¥58,680)
 接続部品がデジスコドットコムのターボアダプターG1(¥8,600)
           同じくターボアダプター・カプラーTA3(¥5,250)
           同じくフィルターアダプターTAC5060(¥4,000)
 雲台がマンフロットのミニビデオヘッド#700RC2(¥10,256)
 ネジ穴変換アダプター(3/8→1/4)がハクバのH-SA8(¥220)
 バランス調整プレートがビクセンのバランスプレート(¥2,184)
最低限の買い物だったが合計¥120,942使った。

各商品の選択理由
 フィールドスコープは小型軽量安価でそこそこの性能(のはずだった)。高級機を手に入れた後は旅行用のサブ機になるだろうと考えた。

 カメラは広角27mm相当、2分間の長時間露光、秒3駒連射などのカタログ性能からデジスコ以外にも利用できるだろうと考えた。大型店の店頭値段が9万円以上と高いので通販業者から代引きで買った。

 接続パーツが以外と高かった。17,850円もした。

 雲台は本で推奨していた中で一番小型安価で軽いものにした。三脚は手持ちのものを利用する。

結果はがっかり2005/05/17 22:21

 ビクセンED52-Sとオリンパス5060WZの組み合わせで色々撮ってはみたが画質が良くない。どう良くないかというと、画像がにじんでいる。像が流れている。フレアーがかった画像になる。中心部もあまり良くないが周辺部は更に更に良くない。

 1ヶ月ほど、鳥を求めて近くの水場などに繰り返し出かけたが画質が満足できないし使い勝手も良くない。ブレやボケを防ぐことに注意をしても画質が悪いのはフィールドスコープの限界と考えざるを得ない。(使い勝手はフィールドスコープの責任ではない)

 平面チャートのテスト撮影で感じたのはフィールドスコープの作る像が平坦でないので、ピント面が中心部で近く周辺が遠い。デジカメの絞りを絞るとピントの合う範囲が広がり画質も改善されるが5060WZの最小絞りはF8である。

 ED52-Sは、写真撮影用としてはつらいが、本来の目的である目視では十分実用になる(念のため)

 使い勝手の悪さは
 (1)素早く鳥をスコープに導入できないため、動きの速い小鳥に追いつけない。スポットファインダーが必要か(2)水鳥は一般的に被写体距離が遠く14倍接眼レンズではデジカメをテレ側にしても1500mm相当(110mm×14)のため大きく写せない(合成開放F値は6.2)(3)ビクセンの接眼レンズの中でデジスコに使えるのはGLH20しかないので倍率を上げられない(4)5060WZとの組み合わせでは広角側でケラレが発生する。使えるのは35mmカメラ換算の70mmから110mm(980mm相当~1500mm相当)の間だけ。

一眼レフとフィールドスコープ2005/05/18 21:12

一眼レフ用アダプターを購入
今度は、使い慣れている一眼レフでやってみようと考えた。一眼レフと超望遠レンズで被写体をとらえるのはなれている。きっとうまくいくだろう・・・。

購入したのは、
 ビクセンの接眼レンズ GL25WIDE ¥5,880
 ビクセンのカメラアダプターG ¥4,200
 ビクセンのTリング(ニコン用)¥1,260
合計¥11,340

 デジタル一眼レフのフジS1Proでやってみた。予想以上にカメラのファインダーは暗く、ピントを合わせるのが困難だ。11月28日、この組み合わせで庭にやってきた小鳥を写した。数十駒撮った。ジョウビタキだった。鳥の全身が写らないほどのアップだが、デジスコ同様にひどい画質だ。オートが使えないので、手動ピント合わせとマニュアル露光になる。ISO400でシャッター100分の1秒を切ったが、かなり露出不足。

 フィールドスコープの接眼レンズの後部にレンズを外した一眼レフボディをくっつけた形。カメラアダプターGはカメラボディとフィールドスコープをつなぐ単なる筒。デジスコと異なり、カメラレンズを使わない。天体写真で言うところの「レリーズレンズ法」ということになる。合成F値は16ほど。AFが使えずフィールドスコープのピントリングによる手動ピント合わせだが、一眼レフのファインダーはすごく暗くピント合わせは至難だ。

 口径52mmのフィールドスコープは一眼レフ用望遠レンズとしては暗すぎて実用にならない。また失敗だ。フィールドスコープED52が写真撮影用としては性能が低すぎると再び実感する。

カメラをとっかえひっかえ2005/05/22 22:01

ユニバーサルマウントシステムTSN-DA3
にじんだようなぼやけたような画質を嘆き、四苦八苦は続く。

 様々なカメラやレンズを試してみるために12月14日、次の商品を購入。
コーワ ユニバーサルマウントシステムTSN-DA3 \16,800

 長いプレートの一方にフィールドスコープの三脚座をねじ止めし、反対側にカメラを取り付ける。ユニバーサルマウントシステムの特徴は、カメラ位置を上下左右に自由に調整でき、フィールドスコープも前後に動かせる。そのため一眼レフでも、フィルターネジが付いていないコンパクトカメラでも、ビデオカメラでも何でもフィールドスコープの接眼レンズと光軸をびったり合わせられる。

 これを使って、手持ちのコンパクトデジカメ富士フィルムのF700で試してみた。フィールドスコープとの接続部品が無いのでデジスコ本で推薦品になっていないが、問題なく使えた。フィールドスコープの接眼レンズ前にぴったりデジカメのレンズを持ってくればどれでも使えそうだ。

 デジスコ風に一眼レフでも出来ないかと、ボディに接写レンズや引き伸ばしレンズなどを付けて試したがシャープな像は結ばなかった。オリンパスの一眼レフE-300はCCDが17.3mm×13.0mmと小さく、コンパクトデジカメに近いのでデジスコとして使えないか?一眼レフはファインダーで被写体が追えるので、液晶画面で被写体を追うコンパクトカメラとは異なり、使い勝手が格段と向上する。コンパクトデジカメでは連写といってもその間、像が消失し、ピントも最初の駒で一度合わせたきり。被写体が動く野鳥撮影では使い勝手が悪すぎる。
 一眼レフを使ったデジスコは将来の研究課題にしておこう。

 ユニバーサルマウントシステムは中々便利な道具だが水平長が約48センチもあり、これを持ってフィールドへ行く気にはなれない商品だった。

 余談ですが、FIELDSCOPEが英語の辞書には出てきません。TELESCOPE(望遠鏡)から類推した和製英語? ニコンビジョン社の英文HPでは、Fieldscopeを使っているのでやっぱり英語圏で通用する言葉なんでしょうね。

被写体を素早く導入するファインダー2005/05/25 22:27

スポットファインダー
 2月に入って望遠鏡専門店(フィールドスコープも扱っている)でビクセンのスポットファインダーを購入した。

 これをオリンパス5060WZのアクセサリーシューに取り付けた。
目標物導入は格段に楽になった。

 弱点は、天体望遠鏡のアクセサリーだから、明るい場所では、目標に合わせる赤いスポットの明るさ不足を感じる。電源がボタン電池のCR2032だから消耗も早い。ON、OFFがやりにくいので消し忘れをしやすい。
 外部から電源を供給し、外部スイッチでON,OFFできるように改造するのは難しくなさそうだが、今は時間がないので将来の課題。

利点は安価なことだ。2,520円。

コンパクトカメラ用シャッターボタン購入2005/05/25 23:10

コンパクト用シャッターボタン
 オリンパス5060WZは、シャッターボタンにレリーズ穴が無いし、専用の補助具も用意されていないので、手でシャッターを押していた。これではスピーディーに押せるが、ブレやすい。

 デジスコ本に紹介されていた、コンパクトカメラ用のシャッターレリーズ取り付け補助具、エツミの「コンパクト用シャッターボタンE-398」を購入してみた。5060WZには向かないような気がしたが、1,290円と安価なので買ってみた。

 何とか取り付けだけは出来たが、オリンパス側のシャッターボタン付近が水平でなく傾いているので、縦方向にベルトで巻きつけても滑って固定がうまくいかない。レリーズを押してもシャッターがなかなか切れない。ベルトでオリンパスの各種操作ボタンも覆ってしまうので様々な操作が出来なくなる。

 取り付け可能なカメラは、丸くなく四角なボディーでシャッターから垂直方向のカメラ背面と前面に操作ボタンが無いことが条件になる。

 オリンパス5060WZをデジスコで使うにはシャッターレリーズ問題の解決が必要だ。一つの解決策は、パワーバッテリーB-HLD20を下部に取り付け、B-HLD20につないだリモートケーブルRM-CB1で電気的にシャッターを切る方法だ。価格が高いのと、カメラ重量が更に重たくなりフィールドスコープに負荷がかかる点が心配だ。

COOLPIX5900を購入2005/05/26 21:42

FSB-1とCOOLPIX5900
 ビクセンのフィールドスコープ「ジオマED52ーS」とオリンパスの5060WZでデジスコに挑戦してきたが、とても不満足な状態が続いている。

 口径52mmの安いフィールドスコープとコンパクトデジカメとしては高価な部類の5060WZの組み合わせは、デジスコ以外での使用に重点を置いたため結果的にバランスを欠いた組み合わせになった。

 デジスコとして安心できる組み合わせはどれだろうか?
単一メーカーがすべてを用意しているニコンが安心安全ではないか?
ニコンですべてをそろえればもう悩むことも無くなるのでは?

 3月に入って、ニコンのフィールドスコープを買う前提で、まずニコンのコンパクトデジカメとニコンの接続アダプターを揃えることにした。

 COOLPIX5900が¥31,290。モデルチェンジでCOOLPIX5200が5900になっていた。接続アダプターFSB-1は¥8,250。512MBのSDメモリーカードHPC-SD512M2も¥8,050で購入。合計¥47,590。

 ジオマED52-SとCOOLPIX5900の組み合わせは、オリンパスの5060WZに比べ広角側でもケラレが少ない。デジスコとしての画質も少し改善されたように思える。シャッターがケーブルレリーズで切れるのでブレの心配が減少した。
 (ビクセンの接眼レンズGLH20WIDEにはすでにターボアダプターG1を取り付けているのでFSB-1がそのまま取り付けられる。TA3+TACがFSB-1に置き換わった。FSB-1には30センチのレリーズが付属)

 ニコンのフィールドスコープ導入が前提なので、画質の根本的な改善はできていないが使い勝手が良くなりうれしくなってきた。

DOS-FSB1という商品2005/05/26 22:32

DOS-FSB1 BASE
 ニコンFSB-1にビクセンスポットファインダーを取り付けるアダプターがターボアダプターから発売せれているのをネットで知る。これを使うと左目でスポットファインダーを見て目標物に照準を合わせ、同時に右目でCOOLPIXの液晶ビューワを見てフレーミングとピント合わせがすばやく行える。

 DOS-FSB1ベースといる名称の商品で簡単な構造の割には¥8,000と高価な印象だったが、効果は絶大だった。高価は効果だ!!。瞬時もじっとしていないスズメも簡単に写せるようになった。

 三脚にデジスコ一式を組み立てて肩に担いで歩き、鳥を見つけるとぱっと脚を広げて鳥を写そうとするのだが、担いで歩いているうちに、DOS-FSB1に体のどこかが触れてスポットファインダーの方向がずれてしまうのが欠点だ。デジスコは多くのパーツを組み合わせているのでどうしても全体のまとまりが欠ける。単独の商品の責任とは言えない。

 やっとデジスコが楽しくなってきた。

液晶フードも必需品2005/05/27 22:28

液晶フードDW-46
 ニコンの「COOLPIX5900」と「FSB1」とビクセンの「スポットファインダー」に㈱デジスコドットコムの「DOS-FSB1 BASE」も買った。スポットファインダーに左眼を近づけると、右目が液晶モニターに近すぎて眼のピントが合わない。そこで必要になるのが、液晶モニターに取り付けるルーペ付き液晶モニター用フードだ。

 COOLPIXが5200から5900にモデルチェンジして、液晶のサイズが1.5インチから2インチに大きくなった。2インチをカバーするルーペ付きフードをカメラ持参で巨大カメラ店で探したところ、ケンコーの液晶フードDW-46が取り付け可能だった。シリコンゴム輪をカメラに巻いて固定する一見頼りなさそうな仕組みだが、今のところ壊れないで使っている。¥2,058だった。

 ルーペ付きの欠点は拡大しすぎて画像イメージより液晶のドットばかりが目立つ点だ。逆にルーペが無いとカメラから顔を遠ざけないと液晶モニターに目のピントが合わない。左目でファインダーを見て右目で同時に液晶モニターを観察するためにはルーペ付き液晶フードが必需品だと確認できた。