放射能汚染肉牛84頭が流通、一部はすでに消費2011/07/17 23:03

 17日のasahi.comによると「福島県の畜産農家が放射性セシウムに汚染された稲わらを牛のえさに使っていた問題で、県は16日、新たに郡山市の2戸、喜多方市の2戸、相馬市の1戸の肉用牛農家でも汚染されたわらを与えていたことが分かった、と発表した。5戸からは計84頭が東京、埼玉、宮城、山形、福島各都県のと畜場に出荷され、市場に流通したという。」

 「福島県によると、5戸は東京電力福島第一原発事故の後、自分たちの水田から回収したわらを4月から一定期間、牛に与えていた。郡山市の1戸のわらからは、1キロあたり50万ベクレルのセシウムを検出。乾燥前の水を含んだ状態に換算すると11万3636ベクレルとなり、国の基準値(1キロあたり300ベクレル)の約380倍にあたる。これまで判明した汚染わらで最高値となる。」

 3月11日の福島原発事故で大気中に放出された“死の灰”は約60キロ離れた郡山市にも大量に降り注ぎ稲わらを高濃度に汚染した。

 稲わらの放射能汚染の深刻さを稲作農家や肉牛肥育農家が受け止め切れていなかったのは、東電や原子力安全・保安院が世界を震撼される重大事故にもかかわらず国民や世界に対して、事故を軽く見せようと意図的に情報隠しと情報の遅出しを続けたためである。事故直後に核燃料のメルトダウンが起こっていたのに計器の故障を理由に核燃料の状況は不明と言い続け、事故レベルも4と言い張っていた。

 時間が経過して、国民や世界の世論がもう驚かないだろうと頃合を見計らって、メルトダウンと圧力容器の底を突き破って核燃料が格納容器に漏れ出したことや、レベル7の世界最悪の事故を認めた。東電や原子力安全・保安院のこういった姑息な世論操作が農家の人たちに3月11日以降も屋外に置かれていた稲わらへの警戒心を呼び起こさせない遠因を作った。

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