COOLPIX5900のAFエリア選択を比べる2005/10/17 17:00

 デジスコ向きとされるニコンのCOOLPIX5900だが、デジスコで使った場合、ずいぶんピンぼけ写真を作ってきた。被写体の野鳥は必ずしも写角の中央に配置しないので、もっぱらAFエリア選択で「マニュアル」を使ってきた。「マニュアル」を選んでおくと、画面内で自由にAFターゲットを移動できて都合よかった。E5900最大の利点とも思っていた。

 ニコンの子会社のニコンビジョン社のホームページに、最近、次のように書かれているのを見つけた。
 『クールピクス7900でデジスコーピングを行う場合は、AFエリア選択を「オート」または「中央」にし、ズームは広角側でのご使用をおすすめします。
なお、「オート」で希望するエリア以外にピントが合ってしまう場合や、高倍率接眼レンズなどで「オート」でも「中央」でもAFランプが点灯しない場合は、FSB-1Aのケーブルレリーズを半押しにし、AFが動かない状態で、クールピクスの液晶モニターを見ながら再度フィールドスコープのピントリングでピントを合わせる撮影方法をおすすめします。』

 真偽を確かめるため実験をした。庭の木の上にムクドリサイズの縫いぐるみ犬(ドイツ・シュタイフ社のHexie)を鳥の代わりに置いて、AFエリア選択を「オート」「中央」「マニュアル」各5回撮影した。1回毎にフィールドスコープはピントリンクを動かし合わせ直している。天候は曇り。さて、成績は・・・・・

 24XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中1コマのみ合焦した
広角側(10.6mm=51mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した

 24XW接眼レンズの場合、広角側の10.6mmまでは「マニュアル」でも合焦したが、それより望遠側では「マニュアル」使用は無理だ。因みに10.6mmのとき合成F値は4.24である。

 40XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中4コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した
広角側(8.1mm=41mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中3コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中3コマ合焦した

 40XW接眼レンズの場合、広角側の8.1mmまでは、緑色のAF合焦ランプが点灯するが、それ以上の望遠側では赤色ランプが消えない。赤色ランプのままシャッター半押し状態でフィールドスコープのピントリングを回して眼で液晶画面を見ながら合わせてもピントが合う場合もあるが信頼性は低い。
 「オート」と「中央」の比較では、「オート」の方が成績が良い。
 8.1mmのときの合成F値は5.4である。

 24XWと40XW接眼レンズでの実験から合成F値がF5辺りにAFエリア選択「マニュアル」の使用限界点があるようだ。
 今後は残念だがAFエリア選択メニューでは「マニュアル」を止めて「オート」を使うことにしよう。
 今回併せて測光方式についても実験した。AFエリア選択で「オート」を選んだ場合測光方式は「AFスポット」がベストだった。

 この結果も踏まえて、私がデジスコで選んだ設定は
■画像モード
  画質 NORMAL
  画像サイズ 5M
■WBホワイトバランス A-WB、太陽光、曇天の中から選択
■測光方式 AFスポット
■連写 連写(各コマ毎にAFが働かないので連写設定でも単車的に使う)
■BSS OFF
■ピクチャーカラー 標準カラー
■階調補正 オート
■輪郭強調 オート(以前は画像加工を前提にOFFや弱にしていた)
■ISO感度設定 64、100、200、400の中から選択(オートに設定しても、屋外では64以外に動かないので手動で選びます。オートの場合、暗い屋内でやっと200に上がる)
■ブラケティング OFF(露光よりタイミングの方が大事だから使いません)
■彩度調整 標準
■AFエリア選択 オート(最も合焦しやすいが緑ランプが点いても望む場所にAFエリアマークが位置しているか注意して確認すること)
■AF-MODE S-AF(C-AFは撮影と関係なくレンズを常に動かし電池を消費し、シャッターボタンに触れると合焦動作を止めてしまう役立たずなので使いません)
■NRノイズ除去 自動ON(デジスコ環境下でNRが働くことは無さそうだが念のため自動ONに設定)

以上の設定で、雨の降りそうな曇天下、庭の周辺を忙しく飛び回るヒヨドリを狙った。40XW接眼レンズを使いE5900を最望遠側で使ったが、AFエリア選択「オート」が効を奏してピントはうまく合っていた!