フィールドスコープに一眼レフを接続2005/10/04 22:52

フィールドスコープと一眼デジカメを接続
 5月22日のブログに「デジスコ風に一眼レフでも出来ないかと、ボディに接写レンズや引き伸ばしレンズなどを付けて試したがシャープな像は結ばなかった。オリンパスの一眼レフE-300はCCDが17.3mm×13.0mmと小さく、コンパクトデジカメに近いのでデジスコとして使えないか?一眼レフはファインダーで被写体が追えるので、液晶画面で被写体を追うコンパクトカメラとは異なり、使い勝手が格段と向上する。コンパクトデジカメでは連写といってもその間、像が消失し、ピントも最初の駒で一度合わせたきり。被写体が動く野鳥撮影では使い勝手が悪すぎる。 一眼レフを使ったデジスコは将来の研究課題にしておこう」と書いたが・・・長らくそのままだった。

 偶然、同じようなことを考えておられるデジスコマニアのページに、ステップアップリングで一眼レフのレンズとTA3(ターボアダプター社販売のカプラー)を接続して野鳥撮影を楽しんでいる話が出ていた。全部が手元にあるパーツなので組み立ててみると、なかなかシャープな像を結ぶことがわかった。手持ちのニッコールレンズ24mmF2.8、50mmF1.4、135mmF3.5の3本で確かめたが、どれもがそこそこの画質だった。24mmはAFだが、50mmと135mmは30年以上前に買った手動レンズだ。

 一眼レフがレンズ込みで1Kg以上なので、支えなしにフィールドスコープの接眼レンズに取り付けるのは無茶とは思ったが一度だけやってみた。D100のC-AFモードで24mmAFレンズを使うとピピッと反応して合焦した。便利だが、カメラの重みでしなっているのがわかる。継続使用は無理だ。

 一眼レフカメラを支えるためにコーワのユニバーサルマウントシステムTSN-DA3を持ち出した。フィールドスコープとカメラをそれぞれ下から支えてくれるのでカメラレンズやフィールドスコープ接眼レンズが曲がる心配は無くなったが、カメラのAF機能は使えない。カメラはAF動作でレンズが伸縮するが、カメラとスコープが固定されているのでレンズを無理に伸縮させるAF操作をするとカメラやレンズが故障する。

 カメラのAF機能を使わず、フィールドスコープのピントリングを手で回して焦点を合わせることになる。一眼レフのファインダーを覗いての手動ピント合わせはそれほど難しいことではないがAFより不便なのは間違いない。

 24mmレンズ使用で合成焦点距離は36mm×40倍=1440mm相当。同様に50mmレンズは3000mm、135mmは8100mm。デジスコとしては50mmレンズあたりが使いやすそうだ。レンズの焦点距離が長くなると合成F値がどんどん暗くなりピントを合わせずらくなるのが難点。

 11月にオリンパスの一眼レフデジカメの新製品E-500が発売予定。世界最軽量で、ノイズ低減化が進んだようで、デジスコ一眼レフとして期待できそうだ。

今朝の鳥はヒヨドリ2005/10/14 10:03

ケーブルに止まったヒヨドリ
 朝、高く響く鳥の鳴き声で目が覚めた。この付近で一番高いアンテナの上で鳴いている。ヒヨドリのようだ。記憶にある鳴き声とは違っていた。縄張りを主張しているのか。季節の変わり目を感じる。

 デジスコを持ち出して狙ってみた。カメラはCOOLPIX5900。AF専門のカメラだが過去の経験ではピンぼけのコマが多い。沢山写してピントの合ったコマを選ぶやり方を続けてきた。歩留まりが悪かった。

 最近、フィールドスコープを発売しているニコンビジョン社のHPを見ると、デジスコにCOOLPIX7900を使う場合は、AFエリア選択で「オート」または「中央」に設定するように、また広角側での使用を勧めている。7900と5900は画素数以外は同一のカメラなので、AFエリア選択での「マニュアル」使用を止めてオートを試してみた。

 「マニュアル」より「オート」の方がピントの大外れは少ないようだ。ただ、ぴったり鳥の眼にピントが合っているとは言えない。デジカメの広角側では合成F値が明るいが望遠側では合成F値が相当暗い。コンパクトデジカメにとってオートフォーカスを正確に動作させるのが難しいのは当然だろう。(今朝の撮影は40(接眼レンズ倍率)×7.8(カメラの焦点距離)÷60(フィールドスコープ対物レンズの直径)=5.2(合成F値)で条件が良かったが、望遠側で使うと合成F値が15.6にもなってしまいカメラには厳しいことになる。

 条件を揃えて、E5900のAFエリア選択で「マニュアル」「中央」「オート」での合焦確率を比べてみたい。

COOLPIX5900のAFエリア選択を比べる2005/10/17 17:00

 デジスコ向きとされるニコンのCOOLPIX5900だが、デジスコで使った場合、ずいぶんピンぼけ写真を作ってきた。被写体の野鳥は必ずしも写角の中央に配置しないので、もっぱらAFエリア選択で「マニュアル」を使ってきた。「マニュアル」を選んでおくと、画面内で自由にAFターゲットを移動できて都合よかった。E5900最大の利点とも思っていた。

 ニコンの子会社のニコンビジョン社のホームページに、最近、次のように書かれているのを見つけた。
 『クールピクス7900でデジスコーピングを行う場合は、AFエリア選択を「オート」または「中央」にし、ズームは広角側でのご使用をおすすめします。
なお、「オート」で希望するエリア以外にピントが合ってしまう場合や、高倍率接眼レンズなどで「オート」でも「中央」でもAFランプが点灯しない場合は、FSB-1Aのケーブルレリーズを半押しにし、AFが動かない状態で、クールピクスの液晶モニターを見ながら再度フィールドスコープのピントリングでピントを合わせる撮影方法をおすすめします。』

 真偽を確かめるため実験をした。庭の木の上にムクドリサイズの縫いぐるみ犬(ドイツ・シュタイフ社のHexie)を鳥の代わりに置いて、AFエリア選択を「オート」「中央」「マニュアル」各5回撮影した。1回毎にフィールドスコープはピントリンクを動かし合わせ直している。天候は曇り。さて、成績は・・・・・

 24XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中1コマのみ合焦した
広角側(10.6mm=51mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中5コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した

 24XW接眼レンズの場合、広角側の10.6mmまでは「マニュアル」でも合焦したが、それより望遠側では「マニュアル」使用は無理だ。因みに10.6mmのとき合成F値は4.24である。

 40XW接眼レンズの場合
望遠端(23.4mm)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中4コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中5コマ合焦した
広角側(8.1mm=41mm相当)では
 「オート」5コマ中5コマ合焦した
 「中央」5コマ中3コマ合焦した
 「マニュアル」5コマ中3コマ合焦した

 40XW接眼レンズの場合、広角側の8.1mmまでは、緑色のAF合焦ランプが点灯するが、それ以上の望遠側では赤色ランプが消えない。赤色ランプのままシャッター半押し状態でフィールドスコープのピントリングを回して眼で液晶画面を見ながら合わせてもピントが合う場合もあるが信頼性は低い。
 「オート」と「中央」の比較では、「オート」の方が成績が良い。
 8.1mmのときの合成F値は5.4である。

 24XWと40XW接眼レンズでの実験から合成F値がF5辺りにAFエリア選択「マニュアル」の使用限界点があるようだ。
 今後は残念だがAFエリア選択メニューでは「マニュアル」を止めて「オート」を使うことにしよう。
 今回併せて測光方式についても実験した。AFエリア選択で「オート」を選んだ場合測光方式は「AFスポット」がベストだった。

 この結果も踏まえて、私がデジスコで選んだ設定は
■画像モード
  画質 NORMAL
  画像サイズ 5M
■WBホワイトバランス A-WB、太陽光、曇天の中から選択
■測光方式 AFスポット
■連写 連写(各コマ毎にAFが働かないので連写設定でも単車的に使う)
■BSS OFF
■ピクチャーカラー 標準カラー
■階調補正 オート
■輪郭強調 オート(以前は画像加工を前提にOFFや弱にしていた)
■ISO感度設定 64、100、200、400の中から選択(オートに設定しても、屋外では64以外に動かないので手動で選びます。オートの場合、暗い屋内でやっと200に上がる)
■ブラケティング OFF(露光よりタイミングの方が大事だから使いません)
■彩度調整 標準
■AFエリア選択 オート(最も合焦しやすいが緑ランプが点いても望む場所にAFエリアマークが位置しているか注意して確認すること)
■AF-MODE S-AF(C-AFは撮影と関係なくレンズを常に動かし電池を消費し、シャッターボタンに触れると合焦動作を止めてしまう役立たずなので使いません)
■NRノイズ除去 自動ON(デジスコ環境下でNRが働くことは無さそうだが念のため自動ONに設定)

以上の設定で、雨の降りそうな曇天下、庭の周辺を忙しく飛び回るヒヨドリを狙った。40XW接眼レンズを使いE5900を最望遠側で使ったが、AFエリア選択「オート」が効を奏してピントはうまく合っていた!